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「もっと知りたいイギリス」を見て
先日テレビで、関口知宏の「もっと知りたいイギリス」という番組を見た。
彼がヨーロッパやアジア各地を「各駅停車の旅」よろしく訪ね歩き、そこに暮らす人々や文化や歴史を紹介するという番組の再放送だ。
ご存じのようにイギリスは「鉄道発祥の地」。
旅はロンドンのパディントンという駅を出発し、ブリテン島最北のサーソーという町を目指して進んでいったのだが、これがなかなか素敵な旅だった。
調べてわかったのだが、最初の蒸気機関車が走ったのが1836年だそう。
日本ではなんと坂本龍馬が生まれた年だ。
「へえ~ すごいなあ~!」
日本が徳川幕府の時代に、あちらでは煙もうもうと蒸気機関車が走っていたなんて・・・。
関口さんは途中ポースマドックという駅で下車。
この駅には最も古い鉄道が走っていて、一時は廃止になったものの、今から約30年あまり前に千人のボランティアの手により復活したとのこと。実に100年振りの復興だそうだ。
普段はロンドン暮らしの人たちが、毎週末ボランティアで鉄道を実際に動かしている。
もう30年近く通い続けている人が登場した。
それを見て「人生を楽しむ」とはこういうことなんだなあ・・・と思った。
大人が本気でおもちゃで遊んでいるって感じでうらやましい。
旅はビートルズのふるさと、リバプールを経て、エディンバラ、インヴァネスへと北上して行く。
旅の途中、小高い丘が延々と続き、緑がとてもきれいだ。
日本のように、ちょっと行くと大きな街が現れるということはなく、現れるのは古い歴史の佇まいを残した、こじんまりとした中世の街並。
そしてついに着いた終点サーソーの岬の向こうは北海。
人の姿はほとんどない。
荒涼とした海が広がるだけだ。
その砂浜を歩きながら言った言葉が、とても印象深かった。
「旅を通じての感想は、意外にも自然だらけのイギリスでした。自然を失っていくことが、先進国の宿命だと思っていたので、驚きだった。開発だけに走らず、自然を心から大切にしていた。開発だけでなく、自然とともに生きることを選択したこの国からは、違う意味で先進国の姿を見た。」
共感すると共に、何か胸に痛いものを感じた言葉だった。